日栄小学校校内研究
- [公開日:2022年6月27日]
- [更新日:2022年6月27日]
- ID:107
日栄小学校 校内研究・研修
(1)研究主題
研究主題 | 教科 | 指定区分・指定内容 |
---|---|---|
つけたい力を明確にし、 主体的に学び合える授業づくり -読み解く力の育成に視点を置いて- | 国語科 | 「学ぶ力」検証モデル事業 |
(2)主題設定の理由
1.教育目標から
本校では、「学び合い、認め合い、支え合いながら自立する子どもの育成」を教育目標に掲げ、その具現化に努めている。【めざす子ども像】「自分と周りの人を大切にする子 夢に向かって前進する子」の実現に迫るためには、自分の力でさまざまな情報を読み取り、自分の考えをもつことや、他者の考えを聞いて、自分の考えを深めたり、広げたりすることが必要であると考える。
2.本校児童の実態から
本校の児童は、積極的に学習活動に取り組み、進んで発言したり、発表したりする児童もいるが、待ちの姿勢が多く見られ、自分で情報を読み解いたり、粘り強く考えたりするなど、自分の考えをしっかりもつことに消極的な姿が多い。また、友達と話し合う活動を通じて、自分の考えを深めたり、広げたりすることができているとは言い難い。話し合いの場にはいるものの、一方的な発信にとどまり、互いに意見を交換し、深め合うには至っていない。また、語彙力が乏しいために自分の考えを表現したり、書いたりすることに抵抗を感じる子どもも多い。そこでまずは、周りの人、もの、ことから必要な情報を取り出し、自分の考えをもつことが本校の児童にとって大切なことだと考える。
上記(1)(2)を踏まえ、滋賀県が進める「読み解く力の育成」に視点を置き、研究主題「つけたい力を明確にし、主体的に学び合える授業づくり」を設定する。
3.研究の基本的な考え方
昨年度に実施した標準学力調査の結果をもとに、各学年の課題を分析し、読み解く力の育成に視点を置き、つけたい力を明確にする。設定した各学年のつけたい力を、授業改善と学習環境向上の両面で育んでいく。
昨年度の研究では、つけたい力を明確にしながら、子どもが自分の考えをもつためにはどのようにすればよいか、主体的に学び合えるようにするにはどうすればよいか全職員で考えることができた。また、事後研究会で出てきた意見をもとに『明日からの一歩』を設定し、全職員が意識して取り組む土台ができた。しかし、具体的にどのように実践に移すかが明確にすることが不十分であった。
そこで、今年度は『明日からの一歩』を継続し、さらに実効性のあるものにするため
に具体的な共通実践に取り組んでいきたい。また、校内研究で共通実践したものが次年度以降にもつながる日栄小学校の財産のようなものが作れればと考える。
また、今年度は『学ぶ力』検証モデル事業として、中学校区で、「学ぶ力向上策」を策定し、すべての教職員で取組の共通理解・共通実践を進める。
[読み解く力の視点]
子どもたちの課題として、文や図表から正しく情報を読み取る力が乏しいことがあげられる。他者と関わる力や粘り強く取り組む力も弱い。自分の考えがもてず、学び合える状況とは言い難く、学習を通して自分の考えを再構築するところまでに至っていない。子どもの姿を、読み解く力の2つの側面・3つのプロセスに照らし合わせ、授業改善の指標にしたい。単元の中の何時間目のどの場面で、子どもたちが読み解く力をどのように発揮しているかを追っていきたい。
[主体的な学びについて]
授業は単元単位で考える。子どもと教材との出会いを丁寧にとらえる。自分にとって価値がある、意味があると捉えると、子どもは主体的に取り組むようになる。また、子どもが、人、もの、ことと向き合う瞬間をより丁寧にとらえるようにする。人、もの、ことにどのような意味があるのか、どのような役割があるのか、学習者の視点に立って教材研究を行い指導事項の系統性を確認し、どのような力を身につけさせるのか、どのようなことができるようになればよいのかを子どもと一緒に確認しながら単元計画を作成する。それをもとに学習を進めることで子どもたちは学習の見通しをもち、より主体的に学ぶことができるのではないかと考える。(昨年度の『明日からの一歩』地図の共有の継続)
学習者が目的・必要性をいかに実感することができるかが、主体的に学び、協働的に課題解決に向かえるかにかかってくる。
4.研究の仮説
読み解く力の育成に視点を置いて単元の指導計画を立てることで、具体的にめざす子どもの姿に迫りながら個々のつまずきに対する手立てを講じることができると考える。また、学ぶ必然性のある課題設定を工夫したり、学習課題の解決に向けた筋道を子どもたちと一緒に立てて学びを進めたりすることで、子どもたちが学びに向かい、友だちとのやりとりを通して自分の考えを深めることができ、つけたい資質・能力の育成につながるであろう。
(3)研究の内容と方法
1.研究のねらい
年度初めに設定した各学年の「つけたい力」の育成に向けて、日々の授業改善に取り組む。どのような手立てや発問によって、子どもたちが「読み解く力」を発揮しているかを見取り、具体的な子どもの姿から考察していく。子どもたち自身がどのような学習過程を辿ったかを意識して学び進めることで、目指す資質・能力の確かな育成につなげる。さらに、全校的に大切にしたいことの共通理解を図り、「明日からの一歩」として日栄小スタンダードを確立していく。
2.研究の視点
〈1〉目的意識が明確となる導入の工夫(単元のゴール設定、必然性のあるめあて)
〈2〉考えたいと思うような課題設定の工夫(教材との出合い)
〈3〉全員が自分の考えをもてるような支援のあり方
〈4〉学び合い、協働的に問題解決に取り組む場の設定、教材や指導方法の工夫
〈5〉学びが実感でき、次時につながる振り返りのあり方
〈6〉「明日からの一歩」の検証
3.研究の方法
○水曜日を中心に、全体会またはグループ会を開く。
○全体会の提案は、研究主任や授業者が行う。進行は研究主任、記録は推進委員の輪番で行う。
○研究授業は年間各学年1本を基本とする。
○研究授業日は年間計画に掲げる。
○研究授業前に、単元計画検討会、本時案検討会(模擬授業も含む)として2回のグループ会を開く。日程はグループ長が調整する。
4.過去5か年間の研究主題および指定研究歴
年 度 | 研 究 主 題 | 教 科 |
---|---|---|
平成29年度 | 「自分の思いや考えを豊かに表現し、学び合う子の育成」 -自ら学び考え、思いを伝え合い、書く力を高める指導をめざして- |
国語科 |
平成30年度 | 「豊かな表現力を育む学びの創造」 -分かりやすく伝え合い、学び合う子の育成- |
国語科 |
平成31年度 | 「目的をはっきりとさせた話し合い活動」 -自分の考えをもち、必然性をもって学び合える授業つくり- |
国語科 算数科 |
令和2年度 | 「自分の考えをもち、主体的に学び合える授業つくり」 -読み解く力の育成に視点を置いて- |
国語科 |
令和3年度 | 「つけたい力を明確にし、主体的に学び合える授業づくり」 -読み解く力の育成に視点を置いて- |
国語科 |
(4)研究・研修計画
月 | 校 内 研 究 と 「学ぶ力」検証モデル事業に関わって |
職 員 研 修 |
---|---|---|
4月 | 研究内容の決定と計画 学力向上策の計画 |
アレルギー対応研修 情報教育研修 |
5月 | 学びのステップアップ調査 全体研究会 特別支援学級授業公開 第1回研究授業 |
子どもを語る会 救急救命法 |
6月 | 第2回研究授業 学ぶ力向上訪問 |
日栄小学校いじめ防止基本方針研修 |
7月 | 情報教育研修 生徒指導研修 | |
8月 | 全体研究会(1学期のふり返り) | 各種実技研修 特別支援研修 |
9月 | 第3回研究授業 | 性教育研修 |
10月 | 第4回研究授業 | 運動会種目と運営 |
11月 | 第5回研究授業 | いじめ・児童虐待予防研修 子どもを語る会 |
12月 | 学びのアンケート | 人権教育・福祉教育研修 |
1月 | 学びの基礎チャレンジ 第6回研究授業 |
道徳研修 学校評価 不審者対応研修 |
2月 | 今年度総括(全体研究会) | 子どもを語る会 |
3月 | 研究紀要の作成 次年度への提案 |
5.校内研究体制の概要
校長・教頭 | ||
---|---|---|
↓ | ||
研究推進委員会 | ||
授業改善部 | 学力向上部 | |
全体研究会 | ||
↓ | ||
Aグループ | Bグループ | Cグループ |
〈1〉全体研究会
・全職員で構成し、研究についての共通理解や理論研究・授業研究を行う。
・積極的に講師を招き、研鑽を積む機会とする。
・授業研究会後に、『明日からの一歩』を決め、全職員で共通して取り組む事項を決める。
〈2〉研究推進委員会
○研究推進委員(校長、教頭、見舘、松本、低、中、高)で構成し、研究の推進を行う。
○授業改善部(校長、教頭、見舘、松本、竹岡、岸井、舩田)
・研究授業の指導案検討の企画、運営や各部の調整を行う。
・研究の結果をまとめ、紀要の作成を行う。
○学力向上部(校長、教頭、見舘、松本、西嶋、橋本)
・基礎学力向上に向けての取組の企画や運営を行う。
・漢字検定、算数検定の取組ととりまとめを行う。
・家庭学習強化週間や自主学習の取組など家庭学習の充実を図る。
日栄小学校校内研究・研修(PDF)