日栄小学校校内研究
- [公開日:2025年5月30日]
- [更新日:2025年5月30日]
- ID:107

日栄小学校 校内研究・研修

(1)研究主題
研究主題 | 教科 | 指定区分・指定内容 |
---|---|---|
豊かなつながりの中で、学びを深める子どもの育成 | 国語科 | 県・CBTデータを活用した |

(2)主題設定の理由
本校では、「学び合い、認め合い、支え合いながら自立する子どもの育成」を教育目標に掲げ、その具現化に努めている。【めざす子ども像】「自分と周りの人を大切にする子、 夢に向かって前進する子」の実現に迫るためには、自分の力でさまざまな情報を読み取り、 自分の考えをもつことや、他者の考えを聞いて、自分の考えを深めたり、広げたりするこ とが必要であると考える。
本校の児童は、積極的に学習活動に取り組み、進んで発言したり、発表したりできる児童が多い。一方で、自分で情報を読み解いたり、粘り強く考えたりするなど、深く考えることに消極的になる児童も多い。友だちと話し合う活動場面でも、考えを深めたり広げたりすることができているとは言い難い。話し合いの場にはいるものの、一方的な発信にとどまり、互いに意見を交換し深め合うまでには至っていない。また、語彙力の乏しさからか、自分の考えを表現したり、書いたりすることに抵抗を感じる子どもも多い。
そこで令和2年度からは、滋賀県が進める「読み解く力の育成」に視点を置き、つけたい力を明確にしながら、子どもが自分の考えをもつためにはどのようにすればよいか、主体的に学び合えるようになるにはどうすればよいか全職員で考え合った。これまでの話し合い活動の積み上げを大切にしながら、言葉に注目し、言葉にこだわる学習活動を展開し、さらに実効性のあるものにするために具体的な共通実践に取り組んできた。どの学年においても、子どもたちが言葉や文、文章に着目したり、自分の伝えたいことにピッタリな言葉を考えたりする場の設定に努めた。結果的に子どもたちは教材文の叙述に何度も返って内容を捉えたり、自分の表現の「before-after」を比べたりすることで、確かな読みや内容の整理、比較をすることができるようになり、読み解く力Aの側面においての学びを生み出すことにつながった。一方で、指導者の手立てが子どもの思考にどう作用するかを十分に吟味する必要性が感じられたことや、Bの側面とのバランスを考える難しさなどが明らかになった。子どもたちは自身の思考を自身の言葉で表そうとするものの、子どもとのやりとりが不十分なままで指導者が子どもの意見をまとめてしまったり、端的に一般化してしまったりすることにより、子どもたちの思考活動の高まりが生かされないまま学習の終わりを迎えるというパターンに陥ってしまうことが少なくなかった。その結果、自己の変容への気づきや学習を調整する力の育成に関しては弱さが露呈した。
昨年からは、研究主題を「豊かなつながりの中で、学びを深める子どもの育成」とし、児童の豊かなつながりをめざし、子どもの考えを予想し広く問いを切り返しながら、意見をつなげるファシリテーターとしての教師の役割も大切にしながら、研究を進めている。

(3)研究の内容と方法

1.「豊かなつながり」の捉え方
・課題とのつながり…課題にじっくり向き合うこと
(読み込む、分析する、わからないことを見つける等)
・他者とのつながり…互いの考えを聴き合うこと
(友だちの考えを受け止める、自分の考えを伝える、わからないことを聴き合う等)
・自己とのつながり…他者から得た考えと自分の考えをすり合わせて再考すること
(新たな発見、自己の変容への気づき等)

2.研究の仮説
各教科等の指導において、子どもが自分事として課題意識をもち、話し合い活動等で言葉を介しながら「課題、他者、自己」と豊かにつながり続けるような授業づくりを行えば、各教科の特質に応じた深い学びのある授業に迫ることができるであろう。

3.研究の内容
〈視点1〉対話が生まれる課題設定の工夫
・驚きや不思議さ、必要感、意外性、当事者性、既習事項との「ずれ」、多様な見方や考え方ができるなどの課題設定のあり方
・自分事の課題として目的意識の継続
・身につけさせたい資質・能力を意図した単元計画
〈視点2〉つながりを生み出す教師のファシリテーション
・子どもの思考の視覚化、言語化と見取り
・「聴く」「つなぐ」「もどす」等有効な切り返し発問の検証
・子ども発信の言葉をもとに、双方向のやりとりを通しての学びの深まり
〈視点3〉学びが実感でき、次時につながる振り返りの充実と活用
・自己の変容への気づきと次時へのつながりのある振り返り
・視点の明確化と十分な時間の確保

4.研究の方法
・国語科を窓口とし、どの教科でも共通して大切なことを追究・検証していく
・「育成する資質・能力→言語活動の充実→目的意識」による学習計画の継続
≪講師を招く全体研究会≫
・年間3回(低学年・中学年・高学年)
・単元計画検討会、本時案検討会(事前授業含)として2回程度の部会を開く(授業改善部会+該当学年担任)
≪グループ研究会(一人一授業)≫
・所属グループ内で授業公開、ミニ研究会を行う。
・授業改善部の教員を中心にグループ会を開き、上記研究の内容に沿って授業評価を行う。
・検証報告をグループ内で輪番に作成し、全体に発信する。
上記3つの視点での授業評価を分析し、その成果を日々の授業づくりに活かしていく。

(4)研究・研修計画
月 | 校 内 研 究 | 職 員 研 修 |
---|---|---|
4月 | 研究内容の決定と計画 学ぶ力向上策の計画 |
アレルギー対応研修 情報教育研修 |
5月 | 学びのステップアップ調査 全体研究会 |
子どもを語る会 救急救命法 |
6月 | 全体研究会 | 日栄小学校いじめ防止基本方針研修 |
7月 | 情報教育研修 生徒指導研修 | |
8月 | 全体研究会(1学期のふり返り) | 図工実技研修 特別支援研修 |
9月 | 性教育研修 | |
10月 | 子どもを語る会 | |
11月 | 全体研究会 | いじめ・児童虐待予防研修 |
12月 | 人権教育研修 | |
1月 | 全体研究会 | 道徳研修・学校評価・不審者対応研修 |
2月 | 今年度総括 | 子どもを語る会 |
3月 | 研究紀要の作成 次年度への提案 |

(5)校内研究体制の概要
校長・教頭 | ||
---|---|---|
↓ | ||
研究推進委員会 | ||
授業改善部 | 学力向上部 | |
全体研究会 グループ会 |
〈1〉全体研究会
・全職員で構成し、研究についての共通理解や理論研究・授業研究を行う。
・積極的に講師を招き、研鑽を積む機会とする。
・授業研究会後に、全職員で共通して取り組む事項を決める。
〈2〉研究推進委員会
○授業改善部
・研究授業の指導案検討の企画、運営や各部の調整を行う。
・研究の結果をまとめ、紀要の作成を行う。
○学力向上部
・基礎学力向上に向けての取組の企画や運営を行う。
・漢字検定、算数検定の取組と、とりまとめを行う。
・家庭学習強化週間や自主学習の取組など家庭学習の充実を図る。

(6)過去5か年間の研究主題および指定研究歴(市町教育委員会の指定を含む)
年 度 | 研 究 主 題 | 指 定 |
---|---|---|
令和2年度 | 「自分の考えをもち、主体的に学び合える授業つくり」 |
|
令和3年度 令和4年度 令和5年度 |
「つけたい力を明確にし、主体的に学び合える授業づくり」 |
県・「学ぶ力」検証モデル事業 (令和3から5年度) |
令和6年度 | 豊かなつながりの中で、学びを深める子どもの育成 |
県・CBTデータを活用した 「個別最適な学び」研究調査事業 |
令和7年度日栄小学校校内研究・研修