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あしあと

    豊郷小学校校内研究

    • [公開日:2024年9月3日]
    • [更新日:2024年9月3日]
    • ID:84

    (1)研究主題

    研究主題
    教科等研究主題指定区分・指定内容「読み解く力」
    との関連
    算数科

    「わかった」「できた」「つかえた」
    を実感できる子どもの姿を求めて
    -聴く、読み解く、話し合う-

    県・CBTデータを活用した
    個別最適な学び」研究調査事業



    (2)主題設定の理由

    1.今までの研究の成果と課題

     本校では25年度から3年間、滋賀県教育委員会(以下県教委)指定の「学力向上アプローチ事業」を受け、算数科を中心に学力向上に向けた授業改善に取り組んできた。「ねらいに沿った評価問題の作成」「ペア学習・小集団・全体交流での話し合い活動の工夫」「思考過程がわかり、振り返ることができるノートの工夫」「家庭学習の習慣化と自主学習の充実に向けた工夫」について校内で意思統一を図り、「豊小スタンダード」として共通実践を積み重ね、学習環境の整備を行った。
     また、28年度は県教委指定の「主体的・協働的な学び推進事業」を受け、それまでの取組を継続・深化させる形で、どの子も「できた」「わかった」を味わわせ、自信につながるように授業改善を図った。
     そして29年度からの2年間は、県教委指定「主体的・対話的で深い学び推進事業」を受け、『「できた」「わかった」「つかえた」を実感できる子どもの姿を求めて』を研究主題とした。そのためには「算数科における単元・授業構成の工夫」が必要であると考え、副題<算数科における単元・授業厚生の工夫>を設定し取り組んできた。
     今までの研究の中から、「課題提示→自力解決→考えの交流と伝達→まとめ→適用問題→振り返り」という授業の流れが定着してきた。ノート指導にも力を注いできたことで、多くの子が毎時間ノートに学習の足跡を継続して残すことができている。そのことは全校的にも落ち着いて学習に取り組む姿勢へと結びつき、子どもたち一人一人の自信にもつながりつつある。また、自力解決前には子どもたち全員が同じスタートラインに立てたかということを確認することも大切にしてきた。
     しかし、自力解決をするためには考えのもとになる既習事項を活用する力を育てなければならないという課題が出てきた。単元ごとのぶつ切り状態では子どもたちの思考はつながりにくく、考えが行き詰まってしまう。それらを改善するためには、指導者側が授業を構成していく段階で事前に学習内容の系統を十分に理解し、子ども達の柔軟な思考を引き出せるよう視野を広げておく必要があると考える。
     また基礎・基本の定着に加え、一人一人の思考力が高まるようにと、自力解決の時間を大切にし、ペアやグループで意見交流を行うことでコミュニケーション能力を養いながら授業改善に取り組んできた。しかし、課題提示や既習事項の確認に時間がかかりすぎ、全体交流の時間が十分に確保されなかったり、教師と子どもとのやりとりが続いてしまったりという場合が多くみられた。
     つまり、教師が話す時間(説明)が長く、子ども同士が話す機会(練り上げの場)は少ない授業が多くなってしまった。その結果、せっかくの自力解決の時間を確保しても十分に子ども達の思考が深まったと実感できるところまで至らなかった。また、ペアやグループでの活動のねらいを明確にすることの大切さに気づくことができた。それらの部分においては今年度さらに研究主題の副題に取り上げ、授業改善へとつなげていきたい。
     本校の算数科を窓口とした研究は、平成25年度から始まり11年目になる。研究を始めた当初は、生徒指導面や家庭環境等に課題が見られ、授業が成立しにくい状況にあった。
     そこで、学習の流れやノート指導を「豊小スタンダード」として共通実践することで、学習環境の整備を行った。また、研究においても年7回の授業公開と研究協議を実施し、児童の学力向上を図るとともに、教師の指導力向上に取り組んだ。
     しかし、「子どもが困らないためにどんな支援が必要か」「子どものためにどんな指導が望ましいのか」協議を重ね、授業改善を行ってきたことで、「わかりやすく教える授業」になってしまい、知識理解に重心を置いた、教師主導型の授業となり、子どもが自ら考え、主体的に学ぶ授業にまでは至らなかった。
     そこで、本年度は「わかりやすく教える授業」から「子どもたちが協働的に学ぶ授業」を目指し、「自ら思考する授業づくり」「つかえるための、深い学びのある授業づくり」に取り組んでいく。子どもに自ら思考させる場面や時間を意図的に設け、目的がはっきりしている対話場面を仕組み、時間と場所を保証することで、自然と子ども同士の関わりが生まれ、練り上げの場面が見られることを期待する。そのような学び合いの姿を大事にしながら、より学び合いを深めるために、今までより「聴く力」にさらに重点を置き研究を行っていく。「聴く力」を高める取組として、全教室に掲示している「聴き方名人レベル7」を、回収整理し、掲示の確認をしていく。
     これまでの研究の成果から、「聴く」、「読み解く」、「小集団での学び合い」、「話し合い活動」「ICTの活用」など、学年ごとに視点を絞って研究授業を行う。その中で、研究授業にとどまらず、日常の授業に活用できるようにしていく。

    2.今年度の研究

     今年度は過去の研究を継続しながら成果を生かしつつ、令和3年度から令和5年度の「よく聴く」研究のまとめとして位置づけ、さらに「全力特活」「全力読書」「ICTの積極的運用」の取組とリンクさせて、一人一人の思考を深める授業改善へと発展的に研究していきたいと考え、本研究主題を設定した。
     必然性のある話し合い活動の場面で、学級の仲間の発言を積極的に「聴く」「資料を読みとる」ことを通して、自らの考えを深めるとともに、他者の考えの良さを感じたり、協働的に学ぶ良さを味わったりすることに重点を置きながら、学び合う授業をつくる。また、問題を読み解く場面、意味のある小集団での学び合いや話し合い活動も積極的に取り入れていく。その過程に、本校の学校教育目標である「いのち・人権を大切にし、豊かな心と確かな学力を身につけた子どもの育成」の具現化を目指すための要素があると考える。
     具体的な方法として、思考力を深めるために、まずは教師が話す時間を減らし、必然性のある話し合い活動の場面を設定して必要に応じてペア学習やグループ学習を充実させていく。子どもたち同士で解決に向かう交流が生じたり、考えの間違いに自ら気付き修正したり、同じ考えを見つけたりすることに子どもたちの思考が刺激されることを期待する。
     そうすることで、自分の考えに対する自信がつき、意見発表がしやすくなるのではないか。
     また、適度な時間を確保して学習の振り返りを行うことで、その時間の児童一人一人の学びが頭の中で整理され確かな学びへとつながるのではないかと考える。そのために、授業者はさまざまな振り返りの観点を事前に準備し、その時間に会った振り返りの観点(教室掲示;振り返り名人)を子どもたちに提示することで、さまざまな角度から思考が刺激されることを期待する。
     さらに、令和元年度より滋賀県の施策の一つとして提示されている「読み解く力」(※別紙参照)や「言語活動の充実」を図る工夫を取り入れたい。算数科での言語活動とは、「算数用語・数・式・グラフ・図・表などを用いて考えたり、説明したり、互いに自分の考えを表現し伝え合ったりする活動」のことである。
     図や式などに表すことで、相手に自分の考えを伝えやすくなり、子ども同士の交流が活発になるのではないか。また、実際に紙やホワイトボードに描いてみることを通じて考えがより明確化し、互いのよい点や誤りにも気付きやすくなると考える。その際に、算数用語が大切な要素となってくる。算数用語を的確に使って説明できることが、相手により分かりやすく自分の考えが伝わり、その結果互いの意見交流が活発となり、互いの思考の深まりへと結びつくのではないか。

    (3)研究の内容と方法

    内容

    1.自主学習の見直し

    ・画一的に内容や量を指定せず、上学年では効果的な学習方略を身に付ける。
    ・「豊小ナビ」「自主学習虎の巻」「体育の自主学虎の巻」の活用を図る。
     週末には意識して自主学習をさせていく。(計画を立てて勉強する意識を身につける。)
    ・各クラスでノート展を行い、身近な友だちのノートから積極的に学ぶ機会を設ける。
    ・夏休み後と冬休み後に自主学習展を行い、他学年の児童の自主学習ノートを見る機会を設ける。

    2.学び合う授業「3つの柱」

    「対話的な学び」
    学年に応じた聴き方の習得を図る。 *聴き方名人レベル7を活用
    ・目的に応じたペア・グループ学習を通して、よく聴いて学び合う。
    ・必然性のある話し合い活動の場面設定 *話し合い活動

    「読み解く力」
    ・自らの考えと他社の考えを比較、検討しながら理解・試行を深める *読み解く力

    「深い学び」
    ・各教科の見方考え方を理解して授業を組み立てる。
     【算数】 事象を、数量や図形およびそれらの関係などに着目して捉え(見方)、根拠を基に筋道を立てて、統合的・発展的に考えること(考え方)。
    ・ICTの活用により、それぞれの子どもたちがお互いに感じたことや考えたことを比較する。
    ・「任せて待つ」場面づくり

    3.共に学び、互いに認め・高め合える集団づくり

    ・学級、学年、異年齢集団との関わりを大切にし、互いに認め合い高め合える縦割り活動や学級での話し合い活動を工夫する。
    ・定期的に縦割り活動を実施する。
    ・定期的にクラス会議を実施する。*教師主導から児童中心の話し合いへ

    方法

    ・各学年、年1回の研究授業を行う。
    ・研究授業の内容は、以下のように行う。授業の視点を取り入れた授業を考える。内容や領域は担任(学年部)と研究主任で相談し、調整する。特別支援学級については、児童の発達段階に合わせた内容を検討し、児童理解をふまえた研究授業を行う。

    各学年研究授業計画
    学年授業の視点読み解く力育成の目指す到達レベル
    1ペア学習の活性化B―1(発見・蓄積)
    2小集団での話し合い活動の活発化
    3多様な話し合い活動の活発化B―2(分析・整理)
    4目的に応じた話し合い活動
    5ICTの有効活用・習熟度別学習B―3(理解・再構築)
    6習熟度別学習

    ・部会は学期ごとに下記のように分けて行う。(R6年度未決定)

    学期ごと部会
    学期授業推進部家庭学習部
    学習環境整備
    家庭学習部
    基礎学力向上
    1学期中学年部
    (3・4年)
    高学年部低学年部
    2学期小学年部
    (1・2年)
    中学年部高学年部
    3学期高学年部
    (5・6年部)
    低学年部中学年部

    ・研究授業の指導案作成にあたっては、学年・学年部、授業実践部、少人数指導部で事前に指導案検討を行い、学校全体で学びを深める。
    ・授業後、研究授業全体会をもち、意見交流場面を中心に討議を行う。
    ・年に3回(6月・11月・2月)、児童向けと教員向けそれぞれのアンケート調査を行い、研究内容の評価指標の一部として活用する。
    ・家庭学習・学習環境部会も定期的に開催し、ノート展、学習環境の整備、基礎学力の向上策や「豊小ナビ」「自主学虎の巻」を活用する。
    ・モジュールの時間を活用し、単元に関わる既習事項の復習や基礎的・基本的な学力を確かなものにするとともに、特別支援の視点を取り入れた課題に取り組む。
    ・学び合いで目指す子どもの姿を設定し、共通理解を図る。
    ・ノート指導計画の作成、ノート指導に全校で取り組む。

    (4)研究・研修計画

    研究・研修計画

    校内研究

    学習環境

    職員研修

    4

    10日(水)校内研究基本方針
    (今年度の方向性)
    24日(水) 校内研究全体会

     

    3日(水)救急救命法
    (心肺蘇生・エピペン・難聴)

     

    5

    29日(水)第1回校内授業研究会
    <特別支援学級>

     

    2日(木) 小中教育研究会
    8日(水)第1回子どもを語る会

    6

    12日(水)第2回校内授業研究会
    <2年>
    26日(水)第3回校内授業研究会
    <1年>

     1学期ノート展
    (各クラスで実施)

    上旬 水泳指導研修会
    17日(月)豊日中学校区教育研究会


    7

     

     

     

    8

    学力向上推進全体会

     

    19日(月)郡体育実技伝達講習会
    20日(火)豊日中学校区教育研究会
    22日(木)職員研修
    23日(金)第2回子どもを語る会

    9

    25日(水)第4回校内授業研究会
    <3年>

     

     

    10

    30日(水)第5回校内授業研究会
    <6年>

    2学期ノート展
    (各クラスで実施)

     

    11

    27日(水)第6回校内授業研究会
    <5年>

    自主学週間

     

    12

     

     

     

    1

    29日(火)第7回校内授業研究会
    <4年>
    ☆学ぶ力向上県教委学校訪問

     

    22日(水)豊日中学校区教育研究会


    2

    12日(水)校内研究全体会
    (今年度の振り返り)

    3学期ノート展
    (各クラスで実施)

     

    3

     

     

     

    (5)校内研究体制の概要

                    [ 学ぶ力向上推進委員会 ]
                             ↓
    [幼小連携推進] [読み解く力推進] [校内研究部] [専科・少人数指導部]
                          ↓
                   [授業実践部][家庭学習(学習環境・基礎学力向上)部]

    (6)過去の研究主題および指定研究歴(市町教育委員会の指定を含む。)

     1. 令和元年度 「できた」「わかった」「つかえた」を実感できる子どもの姿を求めて
       一人一人の思考を深める授業改善のあり方
     2. 令和2年度 「わかった」「できた」「つかえた」を実感できる子どもの姿を求めて
       子どもの意見・発言をつなぐ手立て
     3. 令和3年度 「わかった」「できた」「つかえた」を実感できる子どもの姿を求めて
       よく聴いて、仲間と学びあう授業
     4. 令和4年度 「わかった」「できた」「つかえた」を実感できる子どもの姿を求めて
       よく聴いて、仲間と学びあう授業
     5. 令和5年度 「わかった」「できた」「つかえた」を実感できる子どもの姿を求めて
       よく聴き、よく考え、学びあう授業へ

    豊郷小学校校内研究