豊郷小学校校内研究
- [公開日:2023年6月7日]
- [更新日:2023年6月7日]
- ID:84
(1)研究主題
教科等 | 研究主題 | 指定区分・指定内容 | 「読み解く力」 との関連 |
---|---|---|---|
算数科 | 「わかった」「できた」「つかえた」 | 〇 |
(2)主題設定の理由
1.今までの研究の成果と課題
本校の算数科を窓口とした研究は、平成25年度から始まり10年目になる。研究を始めた当初は、生徒指導面や家庭環境等に課題が見られ、授業が成立しにくい状況にあった。
そこで、学習の流れやノート指導を「豊小スタンダード」として共通実践することで、学習環境の整備を行った。また、研究においても年7回の授業公開と研究協議を実施し、児童の学力向上を図るとともに、教師の指導力向上に取り組んだ。
しかし、「子どもが困らないためにどんな支援が必要か」「子どものためにどんな指導が望ましいのか」と協議を重ね、授業改善を行ってきたことで、「わかりやすく教える授業」を展開する結果となった。知識理解に重心を置いた、教師主導型の授業になり、子どもが自ら考え、主体的に学ぶ授業にまでは至らなかった。
そこで「わかりやすく教える授業」から「子どもたちが協働的に学ぶ授業」を目指し、「自ら思考する授業づくり」に取り組んだ。子どもに自ら思考させる場面や時間を意図的に設けることで、自然と子ども同士の関わりが生まれ、以前よりも主体的に学習に向かう姿が増えてきた。そのような学び合いの姿を大事にしながら、より学び合いを深めるために、一昨年より「聴く力」にも重点を置き研究を行ってきた。「聴く力」を高める取組として、「聴き方名人レベル7」を全教室に掲示し、良い聴き方を具体的にイメージしやすくした。
受動的に「聞く」から能動的に「聴く」ことができる子どもを目指したが、昨年の反省から、聴く姿を意識できている子は一部で、「聴く」ことにはまだ課題が残っている。今年研究10年目を迎え、これまでの研究の成果から、「聴く」、「読み解く」、「小集団での学び合い」、「話し合い活動」「ICTの活用」など、学年ごとに視点を絞って研究授業を行う。その中で、研究授業にとどまらず、日常の授業に活用できるようにしていく。
2.今年度の研究
これまでの研究により、学習に向かう土台ができ、「わかりやすく教える授業」から「子どもたちが協働的に学ぶ授業」へと教師の意識も変わってきた。子どもが問題と出会ったときに感じる「おもしろそう」「難しそう」を起点に、学級の仲間と聴き合う関係を通して「わかった」「できた」「一緒に学んでよかった」という達成感を味わいながら自己の成長につなげていくために、本主題を設定した。
そこで、これまで取り組んできた「自ら思考する授業づくり」「聴く力の育成」を柱として研究に取り組んでいく。学級の仲間の発言を積極的に「聴く」ことを通して、自らの考えを深めるとともに、他者の考えの良さを感じたり、協働的に学ぶ良さを味わったりすることに重点を置きながら、学びあう授業をつくる。また、問題を読み解く場面、小集団での話し合い活動も積極的に取り入れていく。その過程に、本校の学校教育目標である「いのち・人権を大切にし、豊かな心と確かな学力を身につけた子どもの育成」の具現化を目指すための要素があると考える。そして、一人ひとりが「わかった」「できた」「つかえた」を実感できる体験を重ねることで、自信・夢・勇気をもった子どもの育成に取り組んでいく。
子どもを中心に据えた学びあう授業を目指して、学びあう授業の具体的なイメージを出し合い、互いの授業を見て学ぶことを大切にしながら、「豊郷小学校の子どもたちは、豊郷小学校の教職員全員で見守り育てる」という理念を胸に、チーム豊小で着実に歩みを進めてきた。
(3)研究の内容と方法
内容
1.自主学習の見直し
・画一的に内容や量を指定せず、上学年では効果的な学習方略を身に付ける。
・「豊小学習ナビ」の作成に向けて、具体的な取組の収集と豊郷スタイルの策定を図る。
・学期ごとに、学年部でノート展を行い、全校が友だちのノートから積極的に学ぶ機会を設ける。
・夏休み後と冬休み後に自主学習展を行い、他学年の児童の自主学習ノートを見る機会を設ける。
2.学びあう授業「3つの柱」
・「聴く」学年に応じた聴き方の習得を図る。 *聴き方名人レベル7
・「読み解く」自らの考えと他者の考えを比較、検討しながら理解・思考を深める。 *読み解く力
・「話し合う」目的に応じたペア・グループ学習を通して、よく聴いて学びあう。 *話し合い活動
3.共に学び、互いに認め・高め合える集団づくり
・学級、学年、異年齢集団との関わりを大切にし、互いに認め合い高め合える縦割り活動や学級での話し合い活動を工夫する。
・定期的に縦割り活動を実施する。
・定期的にクラス会議を実施する。*教師主導から児童中心の話し合いへ
方法
・各学年、年1回の研究授業を行う。
・研究授業の内容は、以下のように行う。授業の視点を取り入れた授業を考える。内容や領域は担任(学年部)と研究主任で相談し、調整する。特別支援学級については、児童の発達段階に合わせた内容を検討し、児童理解をふまえた研究授業を行う。
・部会は学期ごとに下記のように分けて行う。
学期 | 授業推進部 | 家庭学習部 | |
---|---|---|---|
学習環境整備 | 基礎学力向上 | ||
一学期 | 中学年部(3・4年) | 高学年部 | 低学年部 |
二学期 | 低学年部(1・2年) | 中学年部 | 高学年部 |
三学期 | 高学年部(5・6年) | 低学年部 | 中学年部 |
・研究授業の指導案作成にあたっては、学年・学年部、授業実践部、少人数指導部で事前に指導案検討を行い、学校全体で学びを深める。
・授業後、研究授業全体会をもち、意見交流場面を中心に討議を行う。
・年に3回(6月・11月・2月)、児童向けと教員向けそれぞれのアンケート調査を行い、研究内容の評価指標の一部として活用する。
・家庭学習・学習環境部会も定期的に開催し、ノート展、学習環境の整備、基礎学力の向上策や「豊小学習ナビ」策定を進める。→令和5年度中に完成を目指す。
・モジュールの時間を活用し、単元に関わる既習事項の復習や基礎的・基本的な学力を確かなものにするとともに、特別支援の視点を取り入れた課題に取り組む。
・学びあいで目指す子どもの姿を設定し、共通理解を図る。
・ノート指導計画の作成、ノート指導に全校で取り組む。
(4)研究・研修計画
月 | 校内研究 | 学習環境 | 職員研修 |
---|---|---|---|
4 | 12日(木)校内研究全大会 (今年度の方向性) |
5日(水)救急救命法(心肺蘇生・エピペン・難聴) 11日(火)手話研修 28日(金)小中教育研究会 |
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5 | 31日(水)第1回校内授業研究会 <特別支援学級> |
10日(水)第1回子どもを語る会 | |
6 | 6日(火)第2回校内授業研究会 <3年> 29日(水)第3回校内授業研究会 <4年> |
中旬 高学年ノート展 |
14日(木)水泳指導研修会 28日(水)豊日中学校区研究会 |
7 | |||
8 | 学力向上推進全体会 | 1日(火)学校保健安全委員会 23日(水)豊日中学校区研究会 24日(木)第2回子どもを語る会 |
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9 | 27日(水)第4回校内授業研究会 <2年> |
中旬 自主学グランプリ(仮) |
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10 | 18日(水)第5回校内授業研究会 <1年> |
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11 | 22日(水)第6回校内授業研究会 <5年> |
中旬 中学年ノート展 |
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12 | |||
1 | 23日(火)第7回校内授業研究会 <6年> ☆学ぶ力向上県訪問 |
下旬 自主学グランプリ(仮) |
24日(水)豊日中学校区研究会 |
2 | 7日(水)校内研究全体会 (今年度の振り返り) |
上旬 低学年ノート展 |
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3 | 自主学ナビ製本 |
(5)校内研究体制の概要
[ 学ぶ力向上推進委員会 ]
↓
[幼小連携推進] [読み解く力推進] [校内研究部] [専科・少人数指導部]
↓
[授業実践部][家庭学習(学習環境・基礎学力向上)部]
(6)過去5か年間の研究主題および指定研究歴(市町教育委員会の指定を含む。)
1. 平成30年度 「できた」「わかった」「つかえた」を実感できる子どもの姿を求めて
2. 令和元年度 「できた」「わかった」「つかえた」を実感できる子どもの姿を求めて
3. 令和2年度 「わかった」「できた」「つかえた」を実感できる子どもの姿を求めて
4. 令和3年度 「わかった」「できた」「つかえた」を実感できる子どもの姿を求めて
5. 令和4年度 「わかった」「できた」「つかえた」を実感できる子どもの姿を求めて
<よく聞いて、仲間と学びあう授業へ>
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